陰キャの極地 ショスタコーヴィッチの弦楽四重奏

私の一番好きな作曲家の一人です。ベートーベンの次くらいに好きです。理由はシンパシーという主観的な側面。そして、作品のクオリティや作曲技能という客観的な面でも最高に評価しています。

しかし、ショスタコーヴィッチでも交響曲は好きではありません。ソビエト政府の検閲などあったんでしょうが、伽藍堂で満たされない。それに対して、大きなホールで大人数を対象にしていなかった室内楽などは検閲が甘くショスタコーヴィッチが結構好きに作れたと言われていて、もう陰キャの極地の充足が味わえます。本当のところは分かりませんけど。

その中でも弦楽四重奏曲は最高です。主観的に見ても客観的に見ても、これほどの室内楽を残したのはベートーベンとバルトーク以外はいませんが、バルトークは作品数が少ないです。負けず劣らずのクオリティで、作品数も考えると、後はハイドンぐらいでしょう。

室内楽でもピアノが入っている曲は駄目です。ショスタコーヴィッチはピアノ協奏曲からピアノ・ソナタに至るまでピアノが入ると良くない。優秀なピアニストであったショスタコーヴィッチのピアニストとしての表現意欲が全面に出て、めっちゃ甘ちゃんな曲になります。作曲家として頭の中を五線譜に描き移した純粋な創作ではなくなるからだと思います。

どの弦楽四重奏が特に好きというわけはありませんが、一番マトモな演奏の動画が残っていたのがコレ。さすが、エマーソンは上手いですな。けど、中庸すぎるんです。

オールドスタイルだが、最高レベルの弦楽四重奏団。スタイルは先輩格のラ・サールに似る。

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