日本人で好きな作曲家 黛敏郎

日本で有名なクラシック音楽の作曲家と言うと武満徹を上げる人が多いですが、この方たちは実際に彼の音楽を聞いたことがあるんでしょうか?

武満が世界的に有名になったのは、雅楽などの日本の音階で、尺八などの日本独自の楽器を使った ノーベンバー・ステップスという曲をニューヨークで発表して絶賛されたからなんですが、これは単に物珍しさからではなかったのか?

その後、武満はミニマル楽派に近い、キレイなメロディをユニゾンで弾くという非常に単調なピンク・フロイドか?というような音楽を作り始めます。単調で面白くありません。

黛敏郎の音楽は、メロディと伴奏というクラシックからポップスまで普遍のアンサンブルでは作られていません。どちらかと言うと倍音成分をユニゾンのように使った音楽が短時間で変化する音楽といういより音響に近いものです。いわゆるスペクトラムと言われる手法です。知性の中にある感情より本能にある感覚が刺激される、まさに現代の音楽です。

この曲でお経を合唱に取り入れたセンスは大したものだと思います。コーラスのように音程が整えられていない多人数でリズムが揺らぐ読経は彼の音楽スタイルにぴったりです。というより、日本的な感性を歌いながら西洋の和声という響きにどっぷり嵌った武満などの日本の現代音楽に、黛敏郎は 声明などの日本独特の響きの感覚を主張したかったのではないのだろうか?

黛さんも岩城さんも涅槃の彼方に逝かれました。黛敏郎涅槃交響曲でございます。

特進個別塾 ミドリゼミ芦屋校

予約なしにいつでも毎日でも学習できる。ベテラン講師が直接個別指導する塾。神戸高校を目指す中学生や関学を目指す高校生には塾からは宿題も出しません。神戸大以上の国立大学を目指すのなら予習中心の学習で引っ張ります。

日本で最高の声楽 声明

京都の東本願寺を偶然訪れたときに、4人の僧侶がお経と言うより声明を広い本堂で唱えていました。伽藍堂で天井の高い本堂に独特のモードの旋律が響き渡る素晴らしい体験でした。

確かに、日本の声明にはオペラなどのように際立った技巧はありません。しかし、ヨーロッパのコーラスや宗教音楽のグレゴリオ聖歌などと並ぶ素晴らしい音楽だと思います。

何より、日本人に私には、クラシックやロックなどの西洋音楽を聞くときにある「知性」という壁がなく、脳や心ではなくてもっと根源的な生や死という部分に直接飛び込んできます。ソコを狙って技巧の限りを尽くしてもあまりうまく行かなかったメシアンなどよりよほど素晴らしい。

ただ、残念なことにCDやストリーミング、動画でマトモな声明はあまりありません。この動画は私が聞いた声明の中で最高のものです。

特進個別塾 ミドリゼミ芦屋校

予約なしにいつでも毎日でも学習できる。ベテラン講師が直接個別指導する塾。神戸高校を目指す中学生や関学を目指す高校生には塾からは宿題も出しません。神戸大以上の国立大学を目指すのなら予習中心の学習で引っ張ります。
PAGE TOP