ヴィオラは地味な楽器です。ヴァイオリンのように輝かしい音色があるわけでもなく、チェロのように深い音と、演奏そのものが景色になる存在感があるわけでもない。体格の小さな日本人なんか持ったら、大きすぎるヴァイオリンになって、めっちゃブサイクです。そして、籠もっては曇ったような音。私達がブツクサ少しキレ気味に独り言を行っているような音色です。
ヴィオラはソロで扱われることはほとんどなく、オーケストラでもリズムを刻みリフを弾くというサイドギターと同じ扱いです。一番ひどく扱った戦犯はベートーベン。まるでリズム楽器の待遇です。
その少しキレ気味の内省を、ヴィオラの音色で表現した名曲。決してヴァイオリンの真似をして派手に行こうとしなかったのがエラい。
シェーンベルクとショスタコーヴィッチを足したような、面白いが新しさはない安定したカンニング竹山のようなキレ芸。
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