クラシック音楽のアンサンブルの基礎をすべて築いた偉人です。アンサンブルが分かりやすく、聞いていて面白い作曲家です。音楽の構成がスケルトンのように素人にも見えて、音楽がどう生まれすのか本当によく分かる。特に、こういう古楽器の演奏だと、響きが薄いので一段とハッキリと分かります。
もちろん作品も素晴らしい。モーツァルトやベートーベンに比べて人気がないのは、オペラのアリアのようなメロディーラインやロマン派につながる後期古典派の感情表現がなく、音楽の構成の妙で聞かせる作曲家だからと思います。そんなものマニア以外は興味がないでしょう。
私は、この80番代くらいの交響曲が一番好きです。快活でエネルギーがあって、よく歌う。この演奏は、古楽器やピリオド奏法というだけが売り物でもないようで、素晴らしい生命力のある演奏を奏でてくれます。知らないオケですが、素晴らしい演奏です。
もう今や、どのオケが素晴らしいとか悪いとかはなく、田舎の名前も知らない地方のオケでも十分に素晴らしい能力を持っています。そして、そういうオケは特徴を出して大都市の有名なオーケストラに勝負を望んでいきます。
まさに大企業に望むベンチャー企業のようで、その清新さやエネルギー溢れる演奏は素晴らしいことが多いです。きっとメンバーは収入面などで大変だろうし、マネージャーはスポンサー探しであくせくしてるんだろうけど、頑張って欲しいものです。
以前、橋下知事時代にオケの補助金をやめると言って、大阪のオケは困っていましたが、ソラいつまでもあんな旧態然とした代わり映えのしない演奏をしていれば当然でしょう。いつまでも「お芸術」の上に胡座をかいているからです。こういう演奏の爪の垢でも煎じて飲めばいい。