私の好きなピアノ曲 ベルグ ピアノ・ソナタ

最初にこの曲を聞いたときに、私はビル・エヴァンスの演奏かと思いました。

この曲は、アルバン・ベルクという作曲家が、20世紀の前半の作曲界のムーヴメントの最先端として作った曲です。

ヨーロッパの芸術としての音楽は、教会音楽の旋律を組み合わせた対位法から、やがて和声と言う概念が取り入れられ古典音楽へと進歩していきました。その後200年間は旋律を主体にしたり、大規模にしたりとロマン派に進んでいきましたが、音楽の根本的な和声や旋律の「文法」には変化がありませんでした。

そして、その文法を使って先人の天才たちが作れるものは全部作って、もう新しいものが作れなくなった20世紀、その文法を全否定して始まったのがベルクたちの音楽です。

ビル・エヴァンスはモード・ジャズの代表的なピアニストです。ジャズも、バップという従来のコード進行とコードの中の音だけを使うアドリブ演奏の限界を迎え、1950年代後半から斬新なコード進行やコード以外の音も取り込んだ旋律=モードを使った演奏が始まりました。

前者の第一人者は、ジョン・コルトレーンでその独自のコード進行は、ベルクと同時代に民族音楽を元に斬新なコード進行を試みたクラシック界の天才バルトークと似通っています。後者の第一人者は、マイルス・ディヴィスやビル・エヴァンスです。音をコードで規定することなく、コードの基音や属音に関連する音も含むモードにコードを開放してより自由度の高いアドリブを可能にしました。

違う時代に違うところから進歩した音楽は、実は似通っていたのです。結局は、人間が考えることっていうのは限りあるものかもしれません。

そんなに難しい曲ではないですが、名手 マルカンドレ・アムラン によるベルグのピアノ・ソナタ

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紺碧の宵 Game of Thrones  聖地巡礼Part2

Game of Thrones の聖地巡礼 マルタ島イムディーナ

ゲーム・オブ・スローンズ、エピソード1によく出てくる広場でございます。場所はマルタの古都イムディーナの城塞の中です。

この場所は迷路の奥になっていて、たどり着きにくい場所です。場所はカテドラルの正面あたりの迷路から入り込みます。ガイドブックにもグーグル・マップにも載っていませんし、看板も立っていませんから、行きたい方は苦労して探して下さい。

ドラマの埃っぽく荒々しい中世の場面とは違い、夜は静謐が支配します。

ところで、この宵闇が迫る空の色、加工もなにもしてません。撮って出しで、実際こんな色です。本当に真っ青から藍に変わっていくんですよ。湿度の加減ですかね?日本では見られない色です。

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陰キャの見栄 マーラー 交響曲6番

マーラーで一番派手で充実した曲です。1番はまあ習作っぽいんですが、2番と3番はドンガラは大きいが、中が伽藍堂なオーケストレーションでまだまだ作曲家としての技術不足です。オーケストレーションが充実してくるのは5番以降になるんですが、その中でも一番派手な曲です。

マーラーから200年ほど前の古典派の時代とは違い、楽器も人員もほぼ現代のオーケストラと同じものとなって、その近代的なオーケストラの機能を最大限に発揮させた曲です。マーラーの曲は、 内気で癇癪持ちの根暗の陰キャが、もう目一杯見えを張って大きく、派手に自己を演出したような曲ばかりですが、この曲は特にその色合いが強い。

ということで、過剰演出のこの曲の音響の渦になにも考えずに身を委ねれば、「自己拡大したいいとこ取りの音楽」の中で至福の時間を味わえます。

私的には、創作の内容的にもこの6番、そして私が一番好きな7番がマーラーの頂点だと思います。9番を高く評価する方もいますが、確かにあれは当時流行りつつ合った無調声にチャレンジした曲ですが、チャレンジの分音楽の構成は却ってモノフォリックになってしまい、マーラーの「オレはあっちもこっちも・・」という自己拡大のポリフォニックな分裂症が味わえずに面白くありません。

そして、そういう曲ですから、また古典派のアンサンブルとは違った「鳴り」という面でのオーケストラの能力が必要になる。

そこで見っけたのがこの動画。ホンマにええオケですなぁ。ため息が出ますわ。アンサンブルの作り方といい、鳴らせどころのタメの作り方といい、オケのメンバーがホンマによう分かっていて自発的に音楽を作り上げている。指揮者の作り上げた時間のマス目の中で、100人の独奏者が音楽を作り上げていく。昔のベームとウィーン/フィルさえも彷彿とさせます。

さすが、現代の最高水準のレベルのオケの実力です。

しかし、これだけアンサンブルが合うというのは、メンバー構成にもあるのかもしれません。他のオケのように国籍バラバラ、皮膚の色もバラバラというオケではない。やはり、生まれ持ったリズムや節回しが共通だというのは大事だと思うんですよ。

最高レベルのオケ、フランクフルト放送交響楽団の見事なアンサンブル、N響に爪の垢でも・・。

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青と白の海、そして乾いた大地

マルタ島南岸、ディングリ・クリフ 地中海の自然美の典型

マルタの古都イムディーナから車を1時間ほど走らせると、マルタ島南岸に着きます。マルタ島は北部の海岸はビーチなども多いですが、南部は断崖絶壁が続き独特の景観を見せます。青い海、乾燥した白っぽい土地、もう典型的で圧倒的な地中海の風景です。よく似た光景は、クロアチアのダルメシア地方の海岸線でも見られますが、ここまでの断崖はない。そのスケール感は断崖の上の天文台と比べると分かります。

南部の海岸線ではブルー・ゴットーなどの観光地も有名ですが、私が一番心を奪われたのはこの景観です。ブルー・ゴットーから西に車で20分ほど、ディングリという断崖です。

現地のツアーなどでもこの断崖の上部から覗くだけで、この白い絶壁は見ることは出来ません。危ないからツアーではこの場所には連れて行かないんでしょう。 断崖のキワまでいけますからね。もちろん、股間がメンソールです。

このビュー・ポイントは日本のガイドブックには載ってません。現地ツアーの情報さえ載っていませんから。ところが、グーグル・マップで調べるとあるんですよ。ほとんど現地の人しか知らないこういうビュー・ポイントが。こういうところに行けるのがレンタカーの利点です。

この崖から車で5分ほど西に走ると、観光ポイントになっている小さな教会に着きます。こっちは割と有名で、観光客が結構いますが、もちろん日本のガイドブックには載っていません。ツアーも行きません。この教会で夕日を見ると「永遠の愛」が誓えるそうですが、昼間にいたのはヤローばかりでした。

駐車場もなにもない、車が2~3台路肩に停まっているだけの車道から5分ほど歩くと、この圧倒的な光景が見れます。

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ベートーベン 交響曲8番 Part3

何種類かベートーベンの交響曲全集は持っていますが、その中で一番よく聞く新鮮で面白い演奏がアーノンクールがヨーロッパ室内管弦楽団を指揮したのです。

古典派の音楽は構成がガッチリと決まっているので、なかなか特徴が出せない。そこで、古楽器を用いたり、ピリオド奏法を取り入れたりと、要するにアンサンブルを工夫するより音楽の構成そのものを変えるような手っ取り早い手法が最近は取られます。

まあ、演出を工夫するより、役者を変えたほうが楽で簡単だというわけです。

その中で、これほど工夫を凝らし、いままで聞いたことがないアンサンブルや響きを、もう手垢の付きまくったベートーベンから引き出せる指揮者はいません。聞いていて、これほど面白いベートーベンはそう聞けるものではない。

私、アーノンクールをめっちゃ高く評価しています。 けど、そのアーノンクールも後期ロマン主義なんかでフルオケをやると、旋律とカウンターパートと伴奏と言うガラは大きいが単純な音楽ですから、やはりアンサンブルの妙が聞かせられないので凡庸になってしまいます。

そのアーノンクールも最近亡くなりました。 いつまでも音楽に新しい発見と歓びを求め、晩年を「成熟」や「老境」に逃げなかった見上げた男です。

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島国の古都 イムディーナ

マルタの古都イムディーナの夕暮れ

ヴァレッタに首都が移るまでマルタの首都だった街です。

城塞の中はまるで迷路のように路地が入り組み、その様子はお隣のシチリアではラグーサによく似ています。クロアチアのロビニやシベニク、トロギール、ドブロニクといった世界遺産の街とも似ていますが、イムディーナの方が壁が迫っていて、その上ドアや窓といった開口面積も小さく、独特の雰囲気があります。

北欧神話の世界を再現したゲーム・オブ・スローンズがファース・トシーズンにまずこの街をロケ地に選んだ理由がよくわかります。クロアチアより不気味で幻想的なんです。 ドブロニクもロケ地として有名ですがもっと開放的です。 ラグーサには王の帰還の場面にふさわしい城塞や城門がない。

それに加えて、この城塞の外のラバトと呼ばれる地区にはカタコンベが点在し、その中では人骨が見られます。いあ、アカンやろ、そこまで不気味感満載したら・・夜中オシッコに行かれへんやんか。

この街の幻想的な雰囲気を味わうには夕暮れから夜が最高です。観光客の喧騒が止み、中世の静寂が訪れます。

こんな雰囲気ですが住人は結構住んでいて、驚きました。夕方になると仕事から帰ってきた車で表通りや広場は駐車でいっぱいになります。みんな夜中にオシッコに行けるんやろか?

この城塞の中のレストランは結構高く、城塞の外にはリーズナブルで美味いレストランがいっぱいあります。そこで食ったボンゴレ・ビアンコは美味かった。

この街には、その中世の町並みを使ったゲーム・オブ・スローンズのロケ地が点在しています。また紹介します。

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ベートーベン 交響曲8番 part2

コチラはフルオケのオールドスタイル。ピリオド奏法なんて薄い音響は一切なし。

フルオケで鈍重な演奏形態のはずが、このスピード感とダイナミズム。それに、本当に寸分の狂いもないアンサンブル。すべてのパートのメンバーにまったくズレがない。まるでポリーニやリヒテルのピアノのようです。

30年も前の演奏ですが、長年演奏をしてきたカラヤンとベルリン・フィルのコンビには、進歩した今の優秀なオケでも太刀打ちできないことが山程あります。

これほど音楽を敬愛し、丁寧で、心のこもった演奏があろうか。 そのカラヤンとベルリン・フィルの実力を見せつけるのにピッタリな曲です。CDはもっとえげつないでぇ~。私は、録音が残っている中で最高の指揮者はと聞かれたら、なんの躊躇もなくカラヤンを挙げます。

これを聞いて「カラヤンの音楽に魂がない」とか「カラヤンは商業主義」とか言う言葉だけで片付ける御仁がいたら、いつまでも「心はバーンスタイン」っていうグラモフォンの宣伝戦略に乗せられている愚かしさを恥じるといいと思います。

ちなみにこんな映像を見て、「カラヤンの指揮はカッコつけ」「バーンスタインの指揮は熱情的で心がこもっている。」という方がいたら、あまりにも愚かです。どう演奏するかなどリハーサルで決まっているのです。だから、メンバーなんて指揮者見てないじゃん。

いくらイキリたッても、コンサート中に数十人のメンバーに指示できるなんてない。本番の指揮者の仕事は、「オラ、練習通りヤレよ」「ダレたことすんなよ」と睨みを効かせることです。イキがった姿はただのパフォーマンスでしかないんですよ。ムラヴィンスキーなんて言うカラヤンと並ぶ有能な指揮者は、演奏中眉一つ動かさず、指揮棒をメトロノームのように機械的に動かしながらメンバーを睨みつけているだけです。

カラヤンとベルリン・フィルの名演。当時はまだ西ベルリンだった。

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Game of Thrones 聖地巡礼

この噴水、見おぼえがある方もいらっしゃるかもしれません。ゲーム・オブ・スローンズのロケ地です。この公園には、日本の高岡市の「さくらの会」から寄贈された小さな五重塔もありびっくりしました。

サン・アントン・ガーデンの五重塔。高岡市の「さくらの会」からの寄贈。
高岡市の「さくらの会」からの寄贈

場所は、マルタの首都ヴァレッタと古都イムディーナの間にあるサン・アントン・ガーデンズの中ほど。イムディーナを始め、その周辺にはゲーム・オブ・スローンズ、エピソード1のロケ地が点在しています。

マルタは元イギリス領で交通法規は日本と同じ。右ハンドルの車が左側車線を走ります。だから日本人にはレンタカーで容易に回れます。その価格、1500ccクラスのフォードの小型車で11日間で25,000円ほど。もちろん保険込み。日本のレンタカーはバカ高すぎるんじゃ~!

レンタカーがあると、都市部以外の旅は本当に便利になります。10日間もあれば小さな2つの島からなる小国を回り尽くせます。グーグル・マップは偉大です。

しかし、あんなドラマ作られたら、日本の放送局とか大河ドラマなんて・・・というより、アメリカの株式市場と企業の資金力が突出している現状では、もうアイデアとか能力とか以前に制作費でまったく太刀打ち出来ませんなぁ。これと同じことが、アマゾンでもグーグルでも、AIでも自動運転でも起こってるんですよ。日本、オワッタ・・・。

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引きこもりの集大成 ベートーベン交響曲8番

演奏される機会も少なく、ベートーベンの中でもマイナーな曲です。

ベートーベンは古典音楽の後期に出てきた音楽家です。古典音楽は「自己主張」のための音楽ではなく、和声とアンサンブルの調和と可能性を追求したもので、音楽に「感動」を求める現代のリスナーには不人気な音楽です。

音楽の構成の機微を楽しむものですから、ハイドンなんてのはあまり聞かれない。しかし、ハイドンは貴族宅に囲われ外部との接触も少なく、独自で古典派の音楽に必要な演奏様式を築き上げた、音楽史上最大の功労者です。古典音楽は引きこもりのオタクが生み出した至高の音楽です。

オーケストラも室内楽も、ハイドンの作った演奏形式で、その後数百年、現代でも作曲され演奏されている。それだけ合理的で、後人には変えるスキもなかったんです。

そのハイドンの延長線上で音楽を作ってきたのが古典派の音楽家たち。モーツアルトとベートーベンとシューベルト以外はほとんど聞かれません。

古典音楽でも、オペラや歌曲を活動の柱として旋律が音楽の大きな要素だったモーツァルトとシューベルト、それに古典派とロマン派の中間のような強固な構成を保ちながら自己主張の強い音楽を作ったベートーベンが人気なのは、「音楽は感情の表現を楽しむもの」という現代の我々のニーズにマッチしているからでしょう。

でも、ハイドンの交響曲なんか、モーツアルトはもちろんベートーベンにも匹敵する作品はいっぱいあるんですけどね・・・。ウソだと思うのなら、フルオケで演奏されたカラヤンの傑作、後期ハイドンの交響曲集でも聞けば納得されると思いますよ。スケールが大きく、ベートーベンなんかに引けを取らない音楽だとよく分かります。

私は、古今東西で「最高の作曲家」と言われたら、なんの躊躇もなくベートーベンとハイドンを挙げます。

そして、その古典派の最後期、ベートーベンが人生で最後から2番めに作った交響曲がこれ。人気がないのは、旋律美などなく、古典派の技術とセンスの粋をベートーベンが注ぎ込んだ古典派音楽の集大成だから。

この曲は音楽の構成を楽しむものです。5番や3番などに比べて劣っていると言う方も多いが、見当違いです。モーツァルトよりマーラーのほうが良いと言ってるようなもんです。この曲のアンサンブルやリズムの処理は驚くべきものです。シンコペーションまみれの曲は演奏も難しい。シューマンのラインと並んで、ものすごい曲者です。

その中でひときわ異彩を放っている演奏がコイツ。アンサンブルがお互い合わせようとなんかしていない。お互い目一杯自己主張をし合った上にアンサンブルが成り立っているジャズのカルテットのような演奏です。こういうアンサンブルは、クラシックの室内楽でも最近は多いですが、パートも人数も多いオーケストラでここまで徹底した演奏というのは他には知らない。

凄まじい音楽のエネルギーを支える演奏技術とアンサンブルの精度には感服します。ベートーベンが古典音楽の集大成に込めた「音楽の面白さや楽しさ」を思う存分味わえます。もすごく面白く魅力的な演奏です。

NHK交響楽団を振っているのと同じ指揮者とは思えない・・N響って・・残念すぎる

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藍より青く

この海の向こう側はシチリアです。フェリーで2時間少し。

建物の建築様式や街の雰囲気は、安っぽいシチリア。文化も言語もとても良く似ている。ただし料理はマルタが上。味は似通っているが、ヴォリュームがぜんぜん違う。ボンゴレ・ビアンコなんか麺の量は日本の倍、イタリアの1.5倍、貝は食べた後の殻が丼ぶりくらいのボールに山盛りになるほど入ってくる。

イギリスの植民地で、アングロ・サクソンの血が入っているからマルタ人の体格は北方民族並で、日本人に近いイタリア人とはまるで違うから食べる量も違うんだろうと思う。

ちなみに、マルタでは飲酒運転は合法らしい?ランチにワインを飲まないドライバーはいない。あの体躯ではワインの2杯くらいどうってことはないんだろうか?

夏はシチリアもマルタも5月から9月いっぱいは晴れが続く。空は青く海は藍色に染まる。写真の天気はマルタでは曇り扱い。雲が一片でもあれば曇りなんです。

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ヴィオラの名曲 ショスタコーヴィッチ ヴィオラ・ソナタ

卓抜した作曲技法と知性を兼ね備えたショスタコーヴィッチが人生の最後に選んだ楽器がヴィオラ。ショスタコーヴィッチは体の状態から死期を悟っていたはずだ。そこで、選んだのが、この前も書いたように、ブツクサと独り言を言いながらキレてるような音の楽器です。

最晩年のショスタコの作品は弦楽四重奏曲の15番といい、「墓場の音楽」と揶揄される陰キャを通り越したもの。ただただ消えゆくような孤独の中で歌われる。

ショスタコの友人であり初演も多かった名指揮者のムラヴィンスキーは、音楽に関しては 厳格で、指揮の最中も眉一つ動かさない。その彼が、ショスタコの死後初演されたこの曲を聞きながら、コンサートホールでひと目も憚らず子供のように泣きじゃくったという。

「ソ連」生まれの歴史的な名演奏家のコンビでどうぞ。

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迷宮で考える購買力平価のラビリンス

マルタの首都ヴァレッタの路地

古都で一歩裏通りに入れば、そこは迷宮。

この迷宮は、安い、美味いヤツです。おまけに、お隣のイタリアとは違って店員がフレンドリー。

安いと言っても、それは西側のEUと比べてであって、物価はほとんど日本と変わりません。ご覧の通り、この国は過去の遺産の観光で食っていて、実質は途上国レベルです。産業と呼べるものは何一つない。社会資本の充実も最新の店舗も日本とは雲泥の差です。これで、給与水準も物価もほぼ同じ。 日本と同等の国力を持つ西側EUの物価は日本より高い。

なんでやねん? どう考えてもおかしい。

日本はこの20年間成長もインフレもなかったからだと言われるが、この国はこの体たらくで成長して日本に追いついているのか?ドイツやフランスは成長して日本よりもっと凄い国になっているのか?ノーです。

こういう統計は、インフレや様々な要素が考慮されてはいるが、日本の成長がないのは日本円が安くなり続けてドル換算の統計では実質が反映されていないからではないのか?だから、アジアの途上国から観光客が来てバカ買い・バカ食いできるんだ。デフレをプッシュしたと言われる前日銀総裁の白川さんは「1ドル70円でも円高ではない。」という方針を掲げていたが、購買力平価を考えるとその通り。

円安にしても一部の大企業が儲かるだけで、その利益は国民に還付されない。社内留保か外国への投資に充てられるだけ。とすれば、1ドル70円にすれば、物価水準は外国と同じになるし、我々庶民は安い物価を享受できる。消費税10%なんて楽勝で克服できる。

生産性の低い中小企業は潰せばよいという意見が最近あるが、今のおかしい為替レートで利益の出ない企業より、まともな為替レートで利益が出ないトヨタのほうが生産性は低いんじゃないの?

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ヴィオラの名曲 シュニトケ ヴィオラ協奏曲

ヴィオラは地味な楽器です。ヴァイオリンのように輝かしい音色があるわけでもなく、チェロのように深い音と、演奏そのものが景色になる存在感があるわけでもない。体格の小さな日本人なんか持ったら、大きすぎるヴァイオリンになって、めっちゃブサイクです。そして、籠もっては曇ったような音。私達がブツクサ少しキレ気味に独り言を行っているような音色です。

ヴィオラはソロで扱われることはほとんどなく、オーケストラでもリズムを刻みリフを弾くというサイドギターと同じ扱いです。一番ひどく扱った戦犯はベートーベン。まるでリズム楽器の待遇です。

その少しキレ気味の内省を、ヴィオラの音色で表現した名曲。決してヴァイオリンの真似をして派手に行こうとしなかったのがエラい。

シェーンベルクとショスタコーヴィッチを足したような、面白いが新しさはない安定したカンニング竹山のようなキレ芸。

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Victory Dayの大統領

9月8日 ヴァレッタ 戦勝記念日の大統領

バレッタ旧市街のど真ん中、セント・ジョンズ・カテドラル横にある像に献花するマルタ大統領。

警備が緩い・・・直前まで警官たちはスマホで談笑。怪しげな短パンの東洋人も、職質もなにも無し。野次馬も好き放題。横のオープン・カフェも営業中。緊張感のなさに呆れた。さすが平和な島国。

パッカーンと晴れる半年。身も心も緩みっぱなし。日本より平和ボケしてる。狡いのが多いイタリアの隣国で、文化も言語もシチリアと酷似しているのが信じられない。

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ラフマニノフ ピアノ協奏曲3番 part3

このピアノの音・・・ピアノの王者である。素晴らしい。
すべての音の出始めから消えるまでが完璧にコントロールされ、芯のある輝かしいピアノの音がズドンと鳴る。どんな重和音でも一つの響きだけ、速いパッセージでも決して音は混濁しない。常に透徹した音響が響く。
他のピアニストたちの音とは根本的に違う。こういうピアノのコントロールをできるのは、あとポリーニとリヒテルしか知らない。
ロラン・エマールやアルカンなどは音楽性溢れる素晴らしいテクニシャンだと思うし、ブロンフマンやマツエフはラフマニノフやプロコフィエフなどの派手な曲にぴったりなヴィルトゥオーゾだと思うが、前者は音楽、後者は技術を求めるがピアノの音は求めていない。

本当のピアノの王者とは、こういうプレトニョフやリヒテル、ポリーニのようにピアノを完璧に鳴らし切るピアニストを言うのだと思う。

いつもはピアニストに合わせさせるような指揮をするゲルギエフが、プレトニョフ相手に遠慮して合わせに行っているのが面白い。

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世界遺産になった難民の源流

マルタ島 バレッタのセント・ジョンズ・カテドラル

地中海の真ん中に位置し、十字軍の中継地として栄え、騎士団の拠点になった島。豊かな中世からの町並みを残した首都は街全体が世界遺産に指定され、中でもこのビザンチン様式のカテドラルはその中核をなしている。カテドラルの床には騎士たちの紋章が色違いの大理石で描かれ、その床下には棺が収められている。

今ではムスリムも1500円の入場料を払えば彼らの棺を踏んずけて観光する事ができる。もちろん、なんの後腐れもない仏教徒も私のような無神論者もだ。

由緒ある教会に名誉の埋葬をされた先人は、床下で歯ぎしりしていることだろう。

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チェロの名曲 part2

チェロの名曲というとバッハの無伴奏の他、ドヴォルザークの協奏曲を上げる方も多いと思うが、それって「名曲100選」とかに載っている受け売りだけではないんだろうか。

ドヴォルザークなどは、やはりチェロの鈍重さから抜け出せずに、ヴァイオリン協奏曲のほうがよほど良い出来だが、こちらはソロ楽器として通用するのでハイドンから、ベートーベンやブラームスはもとより、20世紀のバルトークやショスタコーヴィッチに至るまで名曲目白押しでそれ程目立たない。

チェロ協奏曲の筆頭としては、チェロの深い低音を生かしたショスタコーヴィッチの2曲、とりわけ2番が素晴らしいと思う。もう陰キャの極楽であリましょう。この動画、チェロを全面に出さずオケと一体になって、オケの音の中で深い低音が沈潜する演奏になっている。録音の加減もあるのだろうが、それがまた素晴らしい。

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マルタの博愛 

イスラ、セント・フィリップ・チャーチの勝利の女神記念日

アメリカの独立宣言には 「全ての人間は平等に造られている」と唱え られ、自由・平等・博愛という民主主義の礎となっている。

その創案者のジェファーソンたちは、黒人の奴隷をアフリカから連れてきて、重労働させ、犯し、生まれた子供は奴隷として働かせた。

彼らの「平等」は同民族や白人の間でのみ通用することなのだ。自分たちが占領し、殺し尽くしたアメリカインンディアンやアフリカの黒人に対してではない。だから、二次大戦で、なんの関係もない逃げ惑うだけの日本の女子供を、爆撃と焼夷弾で平気で100万人以上焼き殺せたのだ。 ナチのホロコーストや中国のウイグルやチベットを揶揄できる立場なのか。

マルタの戦勝記念日に教会で行われる「 勝利の女神の祝日」というフェスのデコレーションが立派に証明している。占領者の白人の足の下を奴隷となった黒人が支えていいる。

こんな出し物を教会がしながら「自由・平等・博愛」なんていうヨーロッパ人は、一次大戦後に自分たちがメチャクチャにして挙げ句流入してきた移民に苦しんで反省すればいい。

ところで、 オバマは石油利権とイスラエルのために中東の民主化の名目で政権を壊し、内戦を激化させ、200万人以上の犠牲者を出した。そして、核兵器推進の法案を通したあと、ヒロシマに来て核廃絶を被爆国の国民に訴えた。言葉だけの平和主義と二枚舌は白人だけのものではないのか?

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チェロの名曲

ヴァイオリンに比べ鈍重な楽器。そりゃあ、低音の伴奏部に使うドンガラの大きな楽器で弦も太く弦高も高い。ソロなんかするのはどう考えても無理がある。

バッハの無伴奏が有名だが、バッハ得意の多声の対位法をチェロに持ち込むのが土台無理。それに加え、対位法の可能性を譜面に書きなぐったバッハ自体、楽器の響きを生かしてという作曲家ではない。

チェロの低音の深い響きを活かした作曲家は、ショスタコーヴィッチとブリテンだと思う。

特に、この無伴奏は、それまでブリテンという作曲家を軽く見てきた私を土下座させた曲でございます。ブリテンの室内楽は素晴らしい。

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こんな日が続けばいいのに

マルタ島、バレッタ対岸のビクトリアからイスラを望む

ビクトリアの迷宮のようなオールドシティから海沿いに出れば、ヨットハーバー越しに セント・フィリップ・チャーチ が見える。

芦屋にも西宮にも最新のヨットハーバーはあるが、味も素っ気もない。やはり、ヨットハーバーには古びた建物と市場やオープンカフェがないと

ここでハーバーを眺めながら食ったマルゲリータは旨かった。

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